日本に普通の保守論壇御用達雑誌が残っているかどうか、私には分からなくなる時がある。SAPIOの最新号はサピオをはじめとする出版社雑誌vs新聞テレビという毎度おなじみの構図を持ち出している。そのどこが保守なのか、それよりサピオを保守系雑誌といったのは誰なのか、私だけか。
10月6日発売分の雑誌『SPA!』は「民主党政権誕生でネット右翼はどこへ行く」と特集を組み、ネット右翼を自負する何人かを取材している。SPAでよくあるインタビュー集という形式で。その中ではネット右翼たちは普段はたいして変わりのない一般人であること、決して画一的ではない事が浮かび上がる。SPA!で紹介されたブロガーのひとり、よーめんは自身のブログで一水社や右翼活動家の発言へ反論???というかおちょくっている。ま、こんなものだろうか。
世の中、強固な一枚岩勢力なんてそうそうない。たとえばアメリカ大統領選挙の指名レースは同じ党派でも主義主張がまったく異なる事を知らしめる。2008年の共和党候補者選びは(ちっぽけな知名度の)マイク・ハッカビーに注目されたが、彼以外の候補が教条レベルでリベラル寄りだと判断されてしまったからだ。ロン・ポールも共和党か。
ところで、なぜ日本でもアメリカでも思うことがグレン・ベックのキャッチコピーのひとつに体現している。
「You are not alone」きみはひとりじゃない、と。
これは日本でも効果的だ。2ちゃんねるやニコニコ動画。特にニコ動のコメントは「みんなでテレビを見るかのような」雰囲気になると自己PRしている。ひとりじゃないんだ。と。
実際に一人じゃないことを実感するのはシカゴやワシントンや全米各地で行った3月15日や9月12日のティーパーティームーブメントであり、翌月11日のナショナル・カミングアウト・デー(ゲイやセクシャルマイノリティ)のデモであって、インターネットの掲示板やブログのコメント機能だったりする。きみはひとりじゃない。
また、たとえばテレビで出てくるのは「わたしはひとりかもしれない」という人は出てこない。何かしらの特徴を持った人たちだ「かも」ではなく「実際にマイノリティ」なんだ、と。ドキュメンタリーの主人公も『笑っていいとも!』の素人も。だから何かしらの方法で結束させる必要があるのだ。それが特にリぶるズムよりコンサーばティズムの方が必要だというのか。FNCはFox Nationというコミュニティサイトを開設している。ハフィントン・ポスト同様、他のニュースサイトを引用したものが多い。
日本だとどうか。ネット右翼というコミュニティを形成する行為は「あなたはひとりじゃない」ことを連帯することを意味する。特に紙媒体は連帯感を特徴付ける。群衆に危機感を芽生えさせる事で連帯を促す効果があるし、それを助長してあげればいいのだと知っているからだ。
「あなたがいま感じた欺瞞は、決してあなただけが感じたではないのです。」
あなただけではないのです。とは、なんとも胡散臭い使い回しになってしまうが、「You are not alone」をかの「草莽崛起」と結び付けても決しておかしくない。意味は通じる。ただの、連帯する動機付けの為のコピーに過ぎないという。
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10月6日発売分の雑誌『SPA!』は「民主党政権誕生でネット右翼はどこへ行く」と特集を組み、ネット右翼を自負する何人かを取材している。SPAでよくあるインタビュー集という形式で。その中ではネット右翼たちは普段はたいして変わりのない一般人であること、決して画一的ではない事が浮かび上がる。SPA!で紹介されたブロガーのひとり、よーめんは自身のブログで一水社や右翼活動家の発言へ反論???というかおちょくっている。ま、こんなものだろうか。
世の中、強固な一枚岩勢力なんてそうそうない。たとえばアメリカ大統領選挙の指名レースは同じ党派でも主義主張がまったく異なる事を知らしめる。2008年の共和党候補者選びは(ちっぽけな知名度の)マイク・ハッカビーに注目されたが、彼以外の候補が教条レベルでリベラル寄りだと判断されてしまったからだ。ロン・ポールも共和党か。
ところで、なぜ日本でもアメリカでも思うことがグレン・ベックのキャッチコピーのひとつに体現している。
「You are not alone」きみはひとりじゃない、と。
これは日本でも効果的だ。2ちゃんねるやニコニコ動画。特にニコ動のコメントは「みんなでテレビを見るかのような」雰囲気になると自己PRしている。ひとりじゃないんだ。と。
実際に一人じゃないことを実感するのはシカゴやワシントンや全米各地で行った3月15日や9月12日のティーパーティームーブメントであり、翌月11日のナショナル・カミングアウト・デー(ゲイやセクシャルマイノリティ)のデモであって、インターネットの掲示板やブログのコメント機能だったりする。きみはひとりじゃない。
また、たとえばテレビで出てくるのは「わたしはひとりかもしれない」という人は出てこない。何かしらの特徴を持った人たちだ「かも」ではなく「実際にマイノリティ」なんだ、と。ドキュメンタリーの主人公も『笑っていいとも!』の素人も。だから何かしらの方法で結束させる必要があるのだ。それが特にリぶるズムよりコンサーばティズムの方が必要だというのか。FNCはFox Nationというコミュニティサイトを開設している。ハフィントン・ポスト同様、他のニュースサイトを引用したものが多い。
日本だとどうか。ネット右翼というコミュニティを形成する行為は「あなたはひとりじゃない」ことを連帯することを意味する。特に紙媒体は連帯感を特徴付ける。群衆に危機感を芽生えさせる事で連帯を促す効果があるし、それを助長してあげればいいのだと知っているからだ。
「あなたがいま感じた欺瞞は、決してあなただけが感じたではないのです。」
あなただけではないのです。とは、なんとも胡散臭い使い回しになってしまうが、「You are not alone」をかの「草莽崛起」と結び付けても決しておかしくない。意味は通じる。ただの、連帯する動機付けの為のコピーに過ぎないという。