シリーズの最終回に登場する何人かの発言を抜粋。
自由主義経済を振り返り、失敗を教訓として捉える時、何を学ぶのだろうか?
ジム・チャノスが「失敗のない資本主義は希望のない宗教」のようなものと説いたが、これが一番的を獲ていると思う。ただ、あまりにも大きな失敗が希望の光を翳したが。
公共/公益は自由主義に反する存在なのだろうか?
リーマン・ブラザーズの破綻から1年。どう軌道修正してゆくのか?
アラン・グリーンスパン、自由主義経済に関して、過去のフッテージより
「市場に任せればうまくいき市場が民主主義に貢献するという考え方です。そう信じるのはイデオロギーからというよりも、自由主義が世界経済にとって最も効率的な政策だと信じるからです」
2008年10月の公聴会でヘンリー・ワックスマン議長「自由主義的な考えが行き過ぎ判断を誤ったのではないですか?」
グリーンスパン「そうかもしれません。欠陥があったと思います」
ヘムルート・シュミット
「彼一人のみの責任ではありません。議会を含めたアメリカの政治全体の責任だと思います」
「私たちに出来るのは政府がきちんとした経済政策をとるように要求し、チェックし続けることです。
そして、日本や中国のアジア諸国にOPEC諸国など、10年後も多くの利益を生み出してゆくと予想される国々をしっかりとまとめあげて、同じ金融ルールに従わせることが大切です」
胡 鞍鋼 (こ・あんこう)
「規制と監督の無い中で構築された世界の金融システムは、危険性を持つに決まっています」
ジョセフ・スティグリッツ
新たな基軸通貨と世界経済理事会を提言
「IMFの最大の問題は・・・新自由主義の考えに支配されている・・・歴代の総裁はアメリカの財務省や中央銀行、金融市場の出身者が務めてきたのですから」
「アメリカは抵抗するかもしれません。しかし、もう新たな仕組み作りの議論は止められない。中国など莫大なドルを持つ国が賛成したとなれば、他の国も無視出来なくなる。現状を変えなければいけないという、国際的機運が高まっていると思います」
永田文治 (鹿児島銀行頭取)
土地担保でなく、農作物を担保
「産業あってこその金融です。やっぱり金融は黒子です・・・裏側に徹しないといけないですね。我々はやっぱり地域が繁栄してこそ」
原丈人 (はら・じょうじ)株主資本主義でない、公益資本主義を提唱
「(公益資本主義は)儲けた金を使って、何らかの形で世の中に役に立つことをおこなってゆく。
アメリカの猿真似をしないこと。
次の産業は一体何か、一番利益率の高い、株主を豊かにしてくれる、金融業が次の基幹産業だという風に勘違いした所にアメリカやヨーロッパのリーダー達の失敗がある。勘違い。
日本は実業をやる。製造業が大事だと(思う)・・・こういう人達の上で成り立っている唯一の先進国である日本は、アメリカと比べると、可能性は今のきょう現在においては高いと思います」
ジム・チャノス
「資本主義が与えるのは富を得るチャンスだけです。
社会主義がうまく行かなかったのは歴史が証明しています。人間の能力はそれぞれ異なるという事実を無視した」
「資本主義は徹底した自由競争の上でしかなりません」
「普段は資本主義で問題が起きると社会主義というシステムはいずれ行き詰まると思います。問題を解決することを・・・先延ばししている・・・。
失敗の無い資本主義は希望の無い宗教のようなもの」
マイケル・サンデル
「消費者としては、制限の無い自由な市場は法律を良くし繁栄をもたらすからとても魅力がありますよね。
社会の一員である市民として・・・市場が境界線を乗り越え教育や社会保障にまで影響したら?
経済成長だけが社会の目的になってしまったら大変な事になります。・・・過去数十年、我々はそういう方向へ流れてしまいました。
市場に支配されないしっかりとした社会基盤、公共性を再構築することです。そうすれば、市場は人々の生活を良くする為に存在するでしょう」
『NHKスペシャル マネー資本主義』2009年7月20日
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