CNNが提供するチャンネルは、国内向けのCNN (アメリカ国内/US Domesticのこと)とHLN、国際放送のCNNI(CNNインターナショナル)、スペイン語のCNNエスパニョール、そしてジョイントベンチャーでイタリアやトルコ、ドイツなどでもCNNブランドを目にすることが出来る。
CNNは2007年にHD放送を開始した。ライバルのケーブルニュースより一歩先んじた格好だった。しかし、ニューヨークのスタジオがHD対応になっている他はHD化が進んでいない。
他のケーブルニュースがこぞってHD放送を始めている中で、HD放送の実施率となると、CNNは明らかに少ない。1日6時間のCNNに対して、他はそれ以上なのだから。CNBCはSD放送のアップコンバートを前提として運営して、空いたスペースに株価指標やチャートを掲載。MSNBCも日中は同様の手法を採っているが、CNNはそれをしない。
CNNはニューヨークのスタジオだけHDに対応しているのだが、それ以外の実績もある。バラク・オバマの大統領就任式では、HD放送による中継を共同で使用したため(スポーツ中継で使われる『国際映像』と同じ)、ワシントンからの放送もHDで間に合わせた。ドキュメンタリーもHDカメラによる取材・放送を行っている。CNNがHD放送を始める前、2007年7月に主催した大統領候補者の討論会もHDカメラで収録されている。
こうして『ハレ』の場面ではHDが行われているが、平日6時間がNYからの放送で、残る11時間はHDにアップコンバートしての放送となっている。
CNNはNY以外にCNN本部のあるアトランタ、ワシントン、ロサンゼルス、ロンドン、香港にスタジオがあり、そのうちのアトランタ、DC、LAからも放送する。ロンドンと香港はCNNIが使っているので、6つあるうちの4つが常用されて、そのうちの1つしか整備されていない事になる。ライバルのFox NewsやMSNBCに比べて考えると、すべてのスタジオをHD化させるには金がかかりすぎる。これが現実だと考えられる。ワシントンだけで3つのスタジオがあり、アトランタにはCNN USだけでない、HLN・CNNエスパニョール、CNNIのスタジオもある。
ところで、ライバルの場合。
2007年にMSNBCがNBCニュースのスタジオがあるロックフェラーセンター(の、GEビル)に引っ越したのは、スタジオとニュースルームという仕事場の共有で経費を削減出来る事、GEビルのHD化が進んでいた事が大きな理由となっている。ワシントンのHD化もNBCのおかげである。引っ越した時点でスタジオはHD仕様に仕上がっていて、実際にHDデビューしたのは2009年になってからではあるが。
Fox Newsは2008年のHD放送開始を機にスタジオEのHD化工事を行い、次に大統領選挙の特番向けに新スタジオを用意、スタジオHとスタジオJがデビューした。現在はこの3つにワシントンスタジオを中心に放送している。
しかし、CNNとて撮影機材はHD化が進んでいる。ロサンゼルススタジオにはHDカメラに切り替わっていて、コントロール・ルームなど放送機器の整備が整えばラリー・キングはHDで見ることが出来るはずだ。(ケイティ・クーリックがYouTubeにアップロードした映像でちらりと窺い知る事が出来る)
しかし、工事にかかる費用はライバルと比べれば明らかに多額であるのには違いない。
一体、いつになったら日の目を見るのだろうか。
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