中国の放送メディアは中国中央電視台(CCTV)が有名で、中国唯一の全国展開を行っているので必然とどの商業放送より規模が大きく、国際展開も行っている。ニュース報道に関しては24時間専門チャンネルがあり、国内向けとは別に国際放送CCTV4が世界中に発信している。ただし、CCTV国内報道の顔はCCTV1で放送するニュース番組となる。NHK-BS1で放送するものはCCTV1によるものだ。
CCTVは戦略的な世界展開を行っている。2000年に英語放送CCTV9を開始させた。2004年にスペイン&フランス語を同居させて放送(この時仏*西なのか西*仏なのか、どっちでもアリか。笑)しており、2007年と2009年で4つのチャンネルを開局、これらは2005年からの国際的な24時間ニュースチャンネルの開局ラッシュと重なる。
- 2007年10月1日 フランス語
- 2007年10月1日 スペイン語
- 2009年7月25日 アラビア語
- 2009年9月10日 ロシア語
また使用言語も理にかなう。中東をカバーするアラビア語、南米をカバーするスペイン語、植民地政策によって現在も国外で使用されているフランス語―これがアフリカ政策にも関わってくる、そして政治的・地理的に近しいロシア語。ドイツ語は関係ないし、アジアに住む華僑には中国語が出来るかビジネスで英語を習得しているだろう(華僑の家系は、その昔は上海以南が殆どだったから、北京語が母語ではない気もするが)。
CCTVの役目
中国国内で起きたニュース、四川大地震は北京や上海に拠点を置く海外の報道機関よりCCTVがいち早く被災地の様子を撮影することが可能だが、もし四川に支局が無いのなら、互角だ。ただし実際には取材映像の量で圧倒され、結果的にCCTVの映像を使用している。そしてCCTVの多言語展開の目的はニュース映像を海外の放送局へ向けるのではなく、直接家庭にホテルに届ける事となる。
CCTVとは違う企業体である新華社が英語国際放送を行う事になった。中国政府が新華社を通じて声明を発表する。「中国国営新華社通信」と、前置きすることが多いのは政府のスポークスマンとしての機能(広告塔)を有しているからでもある。
その新華社が直接テレビニュース事業に進出するという事になった。効率を考えればCCTVに国際放送充実を図る為の資金供給すればいい。政府はCCTVに運営資金を供給し続けてきた。ところが現在のCCTVは商業収入のみで運営している。そうは簡単にいかないからCNC Worldの拡充という事になった。7月からCCTVは国際放送のウェブサイトをCNTV (China Network Television)と名称変更した。ウェブサイトがどのように進化できるのだろうか、レイアウト統一しないの?と思うが。
2007年、JAMCO オンライン国際シンポジウムという中でのリポートがある。
ここではCCTV英語版(2009年までCCTV9として放送していた)はあまり伝わっていないのではないかという指摘だ。
難しいのは中国語放送のCCTV4の方が視聴しやすい事にある。アメリカの番組表を検索替わりに使用するが、異言語放送局が幾つかあって、ケーブルテレビでCCTV4が視聴できる。中国語を知る者を相手にしており、英語でのアプローチは出来ていない。ベーシックチャンネルに入れられているかは会社によるだろう。
CCTVとCNCの共通点だが、チャンネルの存在意義は他のチャンネル同様に中国のアピールにある事だ、France 24だってそう。その点において中国という国が抱える情報規制・統制への疑念が晴れることはないだろう。必ず指摘される筈だ。それを承知の上でもし成長を見込みたいのであれば、タイムズ・スクエアに新華社の支局を移転させるというのだから移転先のビルの一等地から生放送を行うことだ。アウトサイダーなのだとカモフラージュは出来るだろう。あと中国経済を知る重要なツールであると訴えかける、プロモーション能力にかかっている。そうでなければただのニュースエージェンシーのまま、利用されるだけに落ち着いてしまう。
CCTVもCNCもインターネットで視聴できます。CNCはグーグルクロームでは視聴できなかった。
http://www.xhstv.com/english_video_online.asp
www.cntv.cnでCCTVスペイン語版のAsia Hoy(きょうのアジア)を見てみたら、こっそり米NBCの伝統あるチャイムのメロディラインをちゃっかりパクっていた。揶揄されるんだろうなぁ、パクリのプロとか。
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