CNNは『ラリー・キング・ライブ』の特別番組として原油流出事故で被害を受けているメキシコ湾岸地域へのチャリティー特番「Disaster in the Gulf: How You Can Help」を放送した。
『ラリー・キング』のスタジオがあるロサンゼルスのほか、NYなどから著名人の募金の呼びかけがあり、原油漂着の被害に遭っている湾岸地域の現状に関するリポートがあり、ディベートがあり、とにかく被害の甚大さを再確認する機会となった。同時にテレソンでミュージシャンの演奏があって、番組の最後をライブで見れたがハービー・ハンコックが「イマジン」を演奏して幕を閉じるところだった。スティングがコンサートで捧げた『フラジャイル』の模様も放送していた。映像電話募金についてはLAにいるライアン・シークレストとキャシー・グリフィンが進行した。両人ともCNNと、勿論番組とも縁のある人物だ。番組のエンディングにおいて約140万ドルが集まったという。
今回のチャリティーへの参加方法は画面下(ローワーサード)に掲載していた。普段は最新ニュースをティッカーで表示しているが、今回は募金の為の電話番号やSMSの番号、フェースブックやCNNのウェブサイト、Twitterのハッシュタグなどを表示し続けた。募金方法で一番簡単なのはSMS番号にメールを送信することで、電話会社から送信代10ドルが徴収されて基金に渡り、それで募金した事になる。テレビ朝日がダイヤルQ2を使用したドラえもん募金と似ている。あと、余談として、CMの最中も表示しており、これはCNNでは異例のことだ。広告主は文句を言わないだろう、と。
この手の特番では出演者は交代で電話番を引き受け、それを目当てに募金の電話を行う人も少なからずいる(9/11の時には及ばないから、あの時は伝説となるのかな)。しかし、多くはボランティアの精神によって募金するわけで、大口寄付を行う人もいる、だから1億円集まったという事だ。原油流出から約2ヶ月。重油流出を食い止めるには夏頃になるのでは、とされている。1日で950万リットルの原油が流出し、これはトップキルという流出口をセメントで塞ぐ作戦が失敗に終わり、その代償として傷が拡がった・流出量が増大したことに起因する。そしてトップキルの失敗と時同じくして、流出した原油は湾岸地域に漂着。
CNNのアンダーソン・クーパーは漂着が早かったルイジアナを取材拠点としているようで、他のテレビニュースもルイジアナを起点に漂着した地域、また予想される地域への取材を行っている。今回のチャリティーでもクーパーを筆頭に看板記者らがリポートを送っている。
CNN.com/LarryKing >> LKL MONDAY: 2-Hour 'Disaster in the Gulf: How You Can Help' special Disaster in the Gulf Auction
CNN.com/Impact >> Volunteers recruited to help in oil spill threat
直近では1月のハイチ大地震の際にラリー・キングの特番としてチャリティーテレソンを放送した。どうも、チャリティー番組のことをテレソンとしているようだが。この時もクーパーはハイチで取材を行っており、特番に顔を見せた。CNNの場合、ジョージ・クルーニーの呼びかけによる放送局の垣根を超えたテレソンを行っていて、この時もクーパーは出演している。
ところで原油流出はオバマ政権に暗い影を落としかねない、それを知っての上で先週の月曜日にテレビ演説を行った。今年11月の中間選挙を前に支持率を落とすようものなら民主党上院は共和党に大敗を期す、1994年の悪夢の再来を想起させるのだ。これまで悪夢はティー・パーティー・エクスプレスであり、グレン・ベックであり、という新しい保守勢力が持ってくるはずだったが、PR能力が欠如したBPの社長が持ってきたようだ。
日本ではナホトカ号の原油流出事故があって、日本におけるボランティアの底力を確認させた。その桁が違う被害がこれから数ヶ月続くことになる。ニュースが伝えることを怠る時、その時からが正念場なのだ。
See also: http://ja.justin.tv/mswhitnews/b/265633498
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