2009年のCNNはプライムタイムの弱さが克服出来ていない事を露呈した1年間だった。
2000年から本格化したFox Newsとの視聴率争いはFox Newsの完璧なラインナップに立ち撃ち出来ずにいた。2005年に統括するようになったジョン・クラインはFox Newsの個性や主張の強い番組作りとは袂を分かつ。
結果として2008年の選挙シーズンでCNNは潜在能力とその強さを発揮した。
しかし、イベントが無い平時のニュース番組はどうか。365日のうち祝祭日を除いた平日は250日あるとして、緊急ニュースや大統領記者会見などイベントは30日あるとして、それでも少なくても200日は平時の報道番組となる。
その200日が弱い。確かに視聴者はついてきてくれている。この何年かは横ばいで推移して、イベントがあれば大きくレイティングを伸ばす。2009年7月のマイケル・ジャクソン報道でレイティングが上昇したが、一時的なものに終わった。
一方でライバルはじわりじわり着実にレイティングを伸ばしており、そして彼らはジョン・クラインが袂を分かった筈の、個性や主張を全面に出した番組たちだった。目下の課題は万年3位のMSNBCとCNNの姉妹局HLNに本当に追い抜かれてしまわないか。
2010年初頭のプライムタイム(8-11時)はキャンベル・ブラウン(Campbell Brown)、ラリー・キング(Larry King)、アンダーソン・クーパー(Anderson Cooper)で変更はない。
一方で、CNNは3時-8時を変える予定。3時台『CNNニューズルーム』を担当しているリック・サンチェス(Rick Sanchez)が4時台にも進出。『Rick's List』とタイトルを変えた2時間番組として開始する。この番組名をどこかで聞いたことがあると思っていたら、Twitterのricksanchezcnnアカウントのリスト機能を「Rick's List」と呼んでいた。Twitterアカウントに送られてきた「つぶやき」を番組に反映させて注目を集めたが、この姿勢がどこまで還元出来るだろうか。これに伴ってウォルフ・ブリッツァー(Wolf Blitzer)の『シチュエーション・ルーム』は2時間に短縮される。サンチェスと同じ2時間、予算はブリッツァーの方があるだろうに。2012年の選挙シーズンには放送時間を拡大させるのだろうか?
また、ルー・ダブス(Lou Dobbs)の辞任で穴の開いた午後7時台はレイティングが下降している。その後任はマジックウォールのジョン・キング(John King)が担当する事が決まっている―番組名はまだ決まっていない。ジョン・キングは日曜の『ステート・オブ・ユニオン』を担当しているが、別のアンカーが担当するらしい。
今回はジョン・キングとリック・サンチェスの昇進が目立つ格好だ。
実際のところ、プライムタイムの「伸び」が弱いCNNだが、日中は堅持している。絶対2位だが、決してFox Newsに勝てないのがミソでもある。日中の『ニューズルーム』はアトランタから放送するが、フルHD撮影とスタジオセットのリニューアルをいつするのだろうか?
一方でCNNは独自にイベントを企画するが、その効力を心配する。
平日のプライムタイムに編成するドキュメンタリーシリーズ、2007年開始の『プラネット・イン・ペリル (地球の危機)』、2008年開始『ブラック・イン・アメリカ』に続き、2009年に『ラティーノ・イン・アメリカ』を放送した。放送する意義はあるが、直接レイティングに反映されない。ドキュメントの視聴者は年々減っている、反映されるのはCNNに対するイメージか。
ドキュメントも第2弾・第3弾と放送出来るか。『ラティーノ』は『ブラック』より悪かったようだが。一方で今年『地球の危機』は放送していない。
そして2007年から続く『CNNヒーローズ』、これをキャンセルする事はまずない・・・のだろうか。これこそイベント色120%だ。
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