土曜日, 7月 24, 2010
新聞王?リチャード・デスモンドが英民放チャンネル「ファイブ」を買収
英国の新聞ガーディアン紙の「メディア・ガーディアン」をこまめにチェックしている。タブロイドではないのでゴシップネタに弱いがタブロイドや新聞業界を知ることが出来る。そのガーディアン経由で知ったことだが、タブロイド紙のデイリー・エクスプレスの記事にこんなのがあった。
Daily Express boss beats rivals to buy Channel 5 TV
デイリー・エクスプレスを経営しているリチャード・デスモンドが民放のチャンネル5を買収する。金額は103万ポンド、現在のレートで換算すると138億円になる。138億は高いのか安いのか、日本の楽天やソフトバンクやライブドアが行った株式取得と比べることが妥当なのか、よく分からない。イギリスのテレビ産業で初めての出来事なのだから、ライセンス取得以外で経営権を買収するのは。
ライセンス取得レース
イギリスは時折経営者が変わる。それは運営会社がまるまる変わるからだ。ITCは入札で放送免許を交付するという事をやってのける。1991年、チャンネル3の放送免許(ライセンス)更新に際して入札を実施し、これを機にチャンネル3で放送していたローカル局はゆっくりと合併劇を続け、2004年に現在のITV plcが完成する。
1997年開局した第5チャンネル、その計画は1993年から表面化する。商業放送を監督するITCがライセンス取得交渉を続け、1994年に認められた。これも入札であり、しかし上手くいかなかったので複数社が出資する「チャンネル5ブロードキャスティング」が設立され、その株主だったRTLグループが買い増しを進めて100%取得に至った。RTLは海外資本の企業(コングロマリット)であり、100%買い取るためには2003年の法改正があってこそ。第3チャンネルのITVも海外企業に買収されるのではないかと囁かれたが、別段これといった噂もたたなくなってゆく。
初めての買収劇?/当たり前の買収劇
そもそも、イギリス地上波放送で商業放送は第3チャンネル(ITV)と第5チャンネル(Five)しかない。第4チャンネル(Channel 4)は広告放送だが公共放送、非営利団体で政府の支出はない。中国も然り。ヨーロッパ自体に民放が少ない。そんな環境下でおきた初めての買収劇となった。正確にはRTLが売りに出したのだから、結局は・・・。
但し、視線をテレビ業界から新聞産業へ向けてみよう。3世紀に及ぶイギリスの新聞産業は社主が定期的に入れ替わる、買収なんて当たり前田のなんとやら。最近のビッグニュースはニューズコーポレーションがタイムズを買収し、「サン&ニュースオブザワールド」とあわせて「マードック帝国」が定着した。そのあと衛星放送事業「BスカイB」を開始する、外国人だから地上波テレビに手を出せなかったからだ。しかしそれも20年以上も前の歴史。一方で新興新聞で生き残っているのは「テレグラフ」程度。
一方で出版業者だったノーザン&シェル (Northen & Shell) は2000年にユナイテッドニュースアンドメディアからタブロイド「デイリー・エクスプレス」を買収。そして2010年にファイブを買収。リチャード・デスモンドは時代の寵児として扱われるんだろうな、日本だったら。
さて、ノーザンシェルはテレビ事業は既にペイチャンネル進出を果たしている。Red Hot TV(アダルト)とGay TV(男性同性愛)がある。考えればイギリスは出会い系CM(なんて言うんだったか、YouTuubeに落ちてるはずだが)が当たり前、男性同性愛向けCMも当たり前(女性同性愛向けが少ないのなんの)、だから "Bedroom Boys' Show" なんていうのもある。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 buzz:
コメントを投稿